お金の話

【気を付けろ】ソーシャルレンディング業界の不祥事・行政指導まとめ

・ソーシャルレンディング投資のリスクを知りたい

・ソーシャルレンディング業界の過去の不祥事を知りたい

・ソーシャルレンディング投資のリスクヘッジはどうすればいいの?

 

こんな人に向けた記事です。

 

筆者の僕は2012年に300万円の貯金から投資を初めて、2020年7月現在の資産は5,000万円くらいの現役投資家です。

ソーシャルレンディングが一般的になる前からレンディング投資をしていました。

 

ソーシャルレンディングは「資金を必要としている企業にお金を貸して、年利5〜10%程度の利息を受け取る」という投資です。

貸した後は返済を待つだけなので、初心者でも稼ぎやすい人気の手法です。

参考:ソーシャルレンディングとは?|主要5社を徹底比較

 

とはいえ、黎明期は法整備が追いついていなかったこともあって、トラブルも頻発していたので、過去の出来事からソーシャルレンディングのリスクを理解することも大切かなと思います。

ということで本記事では、過去にあったトラブルと業界の変化をまとめつつ、リスクの対処法を解説していきます。

ソーシャルレンディング業界の不祥事・行政指導まとめ

結論:ソーシャルレンディング投資のリスクは「事業者リスク」

どんな投資法にもリスクはありますが、ソーシャルレンディング投資の大きなリスクの1つは「事業者リスク」です。

あなたと投資対象の間に入る仲介役がガバガバだと、色々な問題が起きます。

  • 選択肢にハイリスクな案件が混ざる(審査が甘い)
  • 損失を全部自分で被ることになる(担保などの保証がない)

ようするに、「健全で腕の良いソーシャルレンディング会社を選びましょう」ということです。

これを踏まえていただきつつ、話を続けます。

今はかなり安全になりました

ソシャレンに限らずですが、新しいモノが世に出る時は必ず以下のルートを辿りますよね。

  1. 新規サービスリリース
  2. 法律が追いついていないのでグレーな運営者が出てくる
  3. 不祥事が起こる→行政処分
  4. 法改正

不祥事自体は良いことじゃありませんが、その業界が健全に、安全に運営されるためには必要な工程だったりします。

そういった意味では、ソーシャルレンディング業界全体はトライ・アンド・エラーが進んでかなり安全になりました。

金融庁からの通達

黎明期のトラブルが対処された結果、金融庁からソーシャルレンディング事業者に向けて、以下のような通達が出ています。(2020年7月現在)

II 行政処分について
●ソーシャルレンディングの仲介を行う一部の業者において、インターネット上の募集画面で投資者に対して虚偽の表示や誤解を与える表示を行っていたほか、投資者保護上の問題が認められたことから、金融庁(財務局)では登録取消しや業務停止命令などの行政処分を行っております。

引用元:ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください|金融庁

簡単解説:行政処分を受けたソーシャルレンディング業者の問題点

  • 上記のページで指摘されてる問題点を簡単にまとめておきます。
  • 担保設定していないのに、元本が保全されていると誤解されるような表記
  • 返済に充てられているお金が他のファンドの資金(自転車操業)
  • 集めたお金を運営者自身の借金返済や増資資金に使っている
  • 掲載されているファンド自体が存在しない(虚偽表示)

ちょっと異常すぎますが、過去にはこんな事例が実際にありました。

注意:「不祥事を起こした=投資対象としてNG」ではない

異常なのは特定の事業者だけなので、「ソシャレンヤバい」という拡大解釈は機会損失を生むのでダメですよ。

重要なのは不祥事の内容から起こりうるリスクを学びつつ、その後の対応と現在の実績から業者を選ぶことです。

 

実際に「クラウドバンク」は2015年に2回行政指導を受けていますが、その都度適切な対応をして2020年7月現在では業界TOPクラスに成長していますので。

 

ソーシャルレンディング業者が行政処分を受けた事例

実際に行政処分を受けた会社の事例を見ていきましょう。

  1. クラウドバンク
  2. みんなのクレジット
  3. maneoマーケット
  4. グリーンインフラレンディング
  5. ラッキーバンク
  6. エーアイトラスト

事例①:クラウドバンク

クラウドバンクは2015年と2017年に二度の行政処分を受けていますが、2020年7月現在も運営を継続しているソーシャルレンディング業者です。

 

2015年5月:1回目の行政処分

  • 「資金の分別管理を適切に行なっていない」という指摘
  • 3ヶ月間の営業停止処分

適切に対応していたため、大きな問題に発展せず。

 

2017年5月:2回目の行政処分

  • 「手数料返還キャンペーン」で手数料が返還されず
  • 一部の投資家に対して提示した内容と違う融資をしていた

この時も対応が適切だったようで大きな問題にならず。

参考:日本クラウド証券に対する検査結果に基づく勧告について|証券取引等監視委員会

 

行政処分は受けたものの、投資家からの信頼は厚い

上記のような事例があったものの、投資家からの信頼を失わず2020年現在は業界を代表するソーシャルレンディング会社に成長しています。

要因は以下の3つかなと思います。

  1. 事案が悪質でなかったこと
  2. クラウドバンク側の対応が適切だったこと
  3. 投資家の資産にダメージを与えていないこと

特に③は、サービス開始から2020年7月にまで元本回収率100%を維持しているのは大きいですね。

投資における信用は「いかに投資家の資産を減らさず、増やせたか」という一点に尽きるので。

参考:クラウドバンクとは?評判や特徴をレビュー|ソーシャルレンディング投資

事例②:みんなのクレジット

みんなのクレジットは事業開始から1年も経たない2017年2月に賠償命令の行政処分を受け、訴訟に発展しています。

 

「みんなのクレジット」の行政処分内容とは

  • 1ヶ月の業務停止命令、業務改善命令
  • 集めた資金を社長の個人的な借金返済に使っていた
  • 「担保が設定されている」と虚偽表示
  • 配当金や元本の返済を他のファンド資金から捻出していた
  • 融資先が債務超過にも関わらず融資を続行した

上記の通り。さすがに悪質過ぎますね…。

2019年2月に投資家たちによる集団訴訟が開始される事態になりました。

参考:みんなのクレジットに対する行政処分について|金融庁

事例③:maneoマーケット

maneoマーケットは日本で最初のソーシャルレンディング会社で、2018年7月に行政処分を受けました。

 

「maneoマーケット」の行政処分内容とは

  • 届け出をしていない会社にソーシャルレンディングプラットフォームを提供した
  • それらの会社の募集事業の有無、資金の使途を確認していなかった
  • 結果的に、虚偽のファンド募集がされていた

つまり、本来資格がない会社のファンドをmaneoマーケット内で募集し、しかもその内容をちゃんと確認していなかったということですね。

審査がガバガバだったので、悪質なファンドが募集されてしまいました。

参考:maneoマーケットに対する行政処分について|関東財務局

事例④:グリーンインフラレンディング

グリーンインフラレンディングはmaneoの親会社にあたり、太陽光発電やバイオマス発電などのクリーンエネルギー開発のファンドを扱っていました。

 

「グリーンインフラレンディング」の行政処分内容とは

  • 集めた資金を政治家への献金に流用
  • 集めた資金をクリーンエネルギー以外の事業に流用
  • そもそも発電所開発自体されていなかった

こちらも悪質ですね。「クリーンエネルギーの開発」という社会性の高さを看板にした詐欺と言えます。

ちなみに上記ファンドはmaneoマーケット上で募集されていて、同社が行政処分を受ける理由の1つになりました。

事例⑤:ラッキーバンク

ラッキーバンクは2018年3月に行政処分を受けています。

 

「ラッキーバンク」の行政処分内容とは

  • 融資先に社長の親族が経営する不動産会社が入っていた
  • 融資先の財務情報を改ざん、実際は倒産寸前の会社にも融資していた
  • 全ファンドに不動産担保を付けていたが、担保価値の評価が自社基準の適当なものだった

3つ目の「不動産担保を付けている」ということから、貸し倒れなどによるリスクの低いソーシャルレンディング会社だと認識されていましたが…担保にしていた不動産の価値が低すぎて貸し倒れ発生時には募集資金の3割しか返還されませんでした。

参考:ラッキーバンクに対する行政処分について|関東財務局

事例⑥:エーアイトラスト

エーアイトラストは2018年に行政処分を受けています。

 

「エーアイトラスト」の行政処分内容とは

「トラストレンディング」という官公庁などの公共事業系ソーシャルレンディングサイトを運営していましたが…

  • 事業の実態がなかった
  • 取引業登録抹消、営業停止

シンプルにして最悪の詐欺ですね。

対応:匿名化解除

これらの不祥事で問題視されたのは「投資先の匿名性」です。

元々は「融資先の保護」を目的に匿名化されていたんですが、結果的にそれを逆手に取る悪質な運営者が出てしまいました。

結果、2019年3月に金融庁が「匿名化解除」の方針を発表して、融資先の情報が次々開示されるようになりました。

 

ソーシャルレンディング業者の不祥事・行政処分から学ぶべきこと

これらの事例から学ぶべきことは、

  • 信頼できる運営者のソーシャルレンディング会社を選ぶ
  • 初心者は「新しい投資」に安易に手を出さない

という2点かなと思います。

ここまで読んでお分かりかと思いますが、不祥事のほとんどは運営者の私利私欲による不正で、それを取り締まる法律が整備されていなかったことが原因ですので。

 

ソーシャルレンディングが開始された当初は実績がなく、ぶっちゃけ募集時には何とでも言えたので、リスクの判断は難しかったです。

現在は運営会社の実績が付いてきて、信頼できる会社が見抜きやすくなってきました。

信頼できる運営会社とは

以下の3点で見分けることができます。

  1. ある程度歴史が長い
  2. 実績が明確である
  3. 運営会社が一部上場企業など

 

見分け方①:ある程度歴史が長い

ソーシャルレンディング自体は2008年から始まった比較的新しい投資手法なので、何十年も運営している会社はまだありません。

とはいえ、健全に運営されていなければ5年ももたないはずなので、運営期間は一つの指標になるかなと思います。

 

見分け方②:実績が明確である

ソーシャルレンディング投資の一番のリスクは「貸し倒れ」や「元本割れ」です。

なので、「貸し倒れの発生件数」「元本保全への対策と実行の有無」あたりを確認することでリスクの度合いを測ることができます。

 

見分け方③:運営会社が一部上場企業など

ようするに「既に信頼度が激高」「不正をしたらタダでは済まないポジションの会社」が運営しているサイトを選ぶということですね。

この辺りはソシャレンに限らずかもですが、運営者自体の信頼性が一番わかりやすい指標です。

注意:初心者は新規サービスの投資を控えるべき

初心者にありがちな失敗として、「案件ばかり見て運営者をよく確認していない」というものがあります。

仮想通貨の草コインで流行りましたが、イメージキャラクターを芸能人にして運営実態はガバガバみたいなパターンで損失を出す人が大勢いました。

イメージキャラクターは広告料を受け取ってそのポストにいるだけなので、1ミリも投資対象の安全性の担保にはなりません。

よく「日本初」「業界初」という謳い文句で高いリターンを提示する新規の投資案件がありますが、初心者は下手に触らない方がいいです。

先行者優位で大きく稼げることは確かにありますが、「ルールがない」というバカでかいリスクを負う必要があり、運ゲー要素が高すぎるので。

なお、ソーシャルレンディングは以降で解説するトラブルから学び、ルールもかなり整備されたので、今は初心者にもおすすめできる投資法になりました。

 

ソーシャルレンディングのリスクを理解しつつ、信頼できる会社を選ぼう

ということで、ソーシャルレンディング業界の不祥事と行政処分をまとめました。

 

どんな業界にも悪質な運営者はいるものですが、そのほとんどが問題を起こした極少人数の問題であって、業界全体を評価するような出来事ではありません。

社会問題への対策や大勢の人の役に立つファンドが大半ですし、社会性の高い投資手法なのは間違いありませんし、匿名化解除以降は健全化しつつあります。

 

過去の事例からリスクの在り処を理解して、健全な運営をしている会社を選ぶことでリスクの大半は軽減できるはずです。

主要ソーシャルレンディング会社5つを徹底比較

なお、現役投資家の僕が信頼できると考える会社を5つピックアップしてみました。

上記の通り。

クラウドバンクは2回の行政指導があったにも関わらず、今のポジションにいることが逆に大きな信頼を生んでいますね。

 

詳細は以下の記事で解説しているので、あわせてどうぞ。

>> おすすめソーシャルレンディング5選|現役投資家が徹底比較してみた

ソーシャルレンディング投資の基礎知識

以下の記事もお読みいただくとソーシャルレンディング投資に必要なことはすべて理解できると思いますので、学びつつコンスタントに稼ぎましょう。

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