仕事・転職

【転職の誤解】「石の上にも3年」は嘘?|仕事辛いなら辞めるべき

・転職を考えてるけど、まだ3年経ってないしなぁ…

・3年は続けないと忍耐力がない人だと思われそう…

・そもそもなんで「3年」なの?

 

本記事ではこういった疑問に答えます。

本記事の内容

・3年勤めなくてもOK → 根拠は3つです
・【事実】在職期間は極端な場合を除いて有利にも不利にもなりません
・転職で有利になりたかったら「期間」より「密度」が重要です

 

この記事の信憑性

僕は4回転職をして合計5社に勤めましたが、そのうち在職期間3年未満が3社にも関わらず、転職するたびに年収は上がっていきました。

>> 参考:gakuのプロフィール

 

ちなみに8年間、4社で人事部という部署で3000人を超える方々の面接官もしてきましたが、在職期間が最終的な決め手になることはほとんどありませんでした。
これらの経験から「とりあえず3年」の根拠や事実関係について解説します。

 

「石の上にも3年」は嘘?|仕事辛いなら辞めるべき

入った会社で3年はガマンしないと「履歴書に傷がつく」「転職に不利」「忍耐力を疑われる」と巷で噂されていて、これを真に受けて不安になる人が多いです。
誰が言い出したのかもわからないのに、不思議とそう言われています。

 

でも冒頭で言った通り僕は1年も在籍しなかった会社もありますが、転職するたびに年収が上がっていて、実際の転職活動で不利だと感じたことはありませんでした。

 

生の声:面接官の心情

繰り返しになりますが、僕は3,000人以上は面接をさせていただいたので、その経験からちょっと補足します。

 

マイナス評価になるケースは2つだけです。

・入社半年以内の「超」短期退職
・早期退職の回数が3回以上

 

これは極端な例ですが、さすがに「忍耐力」とか「本人に問題があるんじゃないか」と疑わざるを得ません。
それに、「うちの会社に入ってもすぐ辞めちゃうんじゃ?」と心配になってしまいます。浮気で寝取った恋人はまた浮気で去っていく、みたいな。

 

じゃあ本題の「3年勤めたことが忍耐力の証明になるか」というと、そんなことは全くないので特にプラス評価はしていませんでした。率直に「まぁ普通」という感じで、3年間勤めたことよりも、3年間の中身や密度を見ます。

 

もうタイトルが結論なんですが、それだけだとあれなので根拠を3つ解説します。

 

【事実】大事なのは「在職期間」より「中身」

ちょっと耳が痛い話ですが、大事なのは「在職期間」じゃなく「期間における中身」でして、ただただ辛くても3年間ガマンしたからといって、市場価値が上がるわけじゃありません。

 

これ事実ですが、適当に手を抜いてたら3年後だろうが5年後だろうが転職活動は苦労します。
面接に行ってもアピールできることがありませんし、頑張ってこなかったならそれなりの評価になるのは普通のことです。

 

一言でいうと、「在職中は手を抜かずにベストを尽くせ」ということです。

 

ちなみに、「ミイダス」というサイトで現在のあなたの市場価値(=適性年収)をざっくり査定することができるので、気になる方はやってみてください。スマホから数分で終わります。

>>「ミイダス」公式サイト

 

会社の都合:新人にかかるコストを回収するのに3年くらいかかる

  

実は3年以内で辞められて一番困るのは会社だったりします。

 

僕がいた人事部では、採用や教育のコストも予算として管理していました。規模にもよりますが、求人募集と育成には莫大なコストがかかります。

・求人広告費(大手サイトなら安くても数十万)
・説明会の会場費
・採用活動に参加する社員の人件費(つまり時給)
・遠隔地なら社員や応募者の交通費負担 などなど

 

そして、入社してから払われる給料、社会保険もコストです。
ざっくりですが、新卒1人にかかる年間のコストは給料の1.5〜2倍と言われています。

203,400円 × 12か月 × 1.5 = 3,661,200円/年
※厚生労働省によると新卒初任給の平均は203,400円

参考:厚生労働省「平成28年度 賃金構造基本統計調査

 

これもざっくりですが、入社から2年くらいは先輩に付いて仕事を覚える期間なので、自分で利益を出すとか、給料に値する仕事をすることができません。

 

単純に、育成期間は利益を生まないので赤字垂れ流しなので、この状態で辞められるとその人にかけたすべてのコストは回収不能になります。

 

【衝撃の事実】新卒は入社3年以内の「第二新卒」の方が市場価値が高い

もしあなたが新卒なら、ざっくり入社半年〜2年くらいまでは転職に不利どころか有利になる可能性が高いです。
そして、厚生労働省の調査によると「新卒社員の約30%が3年以内に会社を辞めている」というデータも出ています。

 

一人前になるのに3年以上かかる → 個人差が大きい上に無根拠です

とはいえ、「何事も一人前になるには3年はかかる」というのも事実です。商売の世界でも「商い三年」と言われますしね。

 

ただこれ、ぶっちゃけ人にもよるし、仕事内容によってもかなり差があります。
ちょっと考えるだけでもかなりブレが大きいはずなのに、みんなひっくるめて「3年」と括るのは、さすがにちょっと乱暴です。
はっきりした根拠やデータがあるわけでもないので、「誰かのポジショントークじゃね?」と思うのです。

 

さらに、「仕事に慣れた」と「能力が高まる」というのは別の話です。
「その会社でスムーズに業務が遂行できる」というのと、「他の会社でも通用する能力」は切り分けて考えるべきでして、後者が「職能」と呼ばれる転職市場で評価されるスキルです。

 

転職で有利になりたければ「在職期間の中身」を高めよう

ここまで、「とりあえず3年」の根拠はかなり曖昧なので、期間に囚われなくてOKという話でした。ここでちょっと、「大事なのは期間じゃなく中身」という話に戻ります。

 

「中身が薄い期間」とは?

「面倒見の悪い、仕事ができない上司の下で、指示されたことだけをこなす」みたいな感じです。
こんなことを3年続けても5年続けても、能力が高まらないのは明白です。

 

自分の気持ちや姿勢ももちろん大事ですが、「環境」も大事です。
能力や意欲の低い上司、同僚に囲まれてダラダラ仕事をする環境で、自分だけが奮起するのはなかなか大変で、周囲からも足を引っ張られやすい傾向にあります。

 

能力や意欲が低い人からすると、「努力する人=意識高い系の人」と思いがちで、目の上のたんこぶだからです。

 

「中身の濃い期間」とは「姿勢」と「環境」

ポイントは3つです。

・適度に苦労もしながら、自分で創意工夫すること
・仕事を自分事として捉えてベストを尽くすこと
・成長を後押ししてくれる優秀な上司や先輩がいること

 

こういった状況下で働くと「密度」が違います。たとえ1年でも、前者よりも明らかに「成長する=能力が高まる=市場価値が上がる」さらにその速度も速い、というわけです。

 

まとめ:「3年」にこだわる前に密度を高めよう

 

これまでのポイントをまとめます。

・「とりあえず3年」の根拠はかなり曖昧です

・3年居ただけでは市場価値は高まらず、特に有利にもなりません

・「3年居ないと困る」のは会社です

・「仕事に慣れる」と「職能やスキルが身に付く」は別物です

・在職期間より密度を高めましょう

ということで繰り返しになりますが、「3年」という期間にそこまでの意味はありません。
3年未満でも環境が悪かったり、自分の脳力が高まらない環境であれば、それは前向きな理由による転職です。

 

「会社に貢献すること」や「先輩上司への恩返し」ではなく、「自分の市場価値を高めること」の方が重要で、年収アップにも直結します。働く目的を見誤らないでくださいね。

 

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