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金融庁「年金払えないから自分でなんとかしてね」|2000万円問題

既に自分でなんとかしてるgakuです。

 

2019年5月31日のスッキリで、金融庁からの発表を特集していました。「年金給付はこれから下がるから、各自1300〜2000万円は余分に用意しておいてね」という趣旨。

随分前からわかっていたことですが、公の事実になったわけです。ちなみにコメンテーターの方々はこんなコメントをされていました。

 

「投資をやった方がいいというのはわかるけど、今いきなり言われても基礎がないからハードルが高い」

「貯蓄しておかないと生活費が足りないのもわかるけど、2000万円貯めるのは今の生活を考えると現実的じゃない」

「長く働くにも健康じゃないと働けないし、健康でいれば医療費の節約にもなる」

 

手前味噌ですが、こういう事態になることは公式発表が今だったというだけで、随分前から言われていました。僕は一足先に対策した副産物としてサラリーマンをリタイアできたに過ぎません。

なので、「早めにこういう事態に備えてパラレルワークしつつ、節約節税しときましょうね」というのがこのブログのメインテーマです。

「既に対策済みの人」「これから対策する人」「それでも何もしない人」がいると思いますが、向こう5年で格差はさらに広がります。

 

金融庁「年金に頼らず自助努力しておいてね」

 

以下、事の発端になったニュースから抜粋します。

5年に1度おこなわれる公的年金の「財政検証」の結果が6月にも公表される予定だが、それを目前に控えたいま、SNS上では、年金制度に対する怒りの声が溢れている。

きっかけとなったのは、5月22日付けで金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」がまとめた「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)」だ。

これは老後の生活を営んでいくための「資産寿命」をいかに延ばすかをまとめたものだが、なんとそこでは、「年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」とし、「老後は年金だけに頼らず自助努力しろ」と呼びかけられているのだ。

かつては退職金と年金給付の二つをベースに老後生活を営むことが一般的であったと考えられる。

しかし、長寿化による影響はもちろんのこと、公的年金の水準が当面低下することが見込まれていることや退職金給付額の減少により、こうしたかつてのモデルは成り立たなくなってきている。〉

(中略)

〈重要なのは、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。〉

〈少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい。今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある。〉

〈老後の収入が足りないと思われるのであれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を行っていく必要があるといえる。

 

あ、今読み飛ばしたでしょ?

 

 

いまさら聞けない「働き方改革」を翻訳しとく

 

ここで今一度「結局、働き方改革ってなんやねん?」ということをまとめておきます。

1.人口減少が止まらず、人手不足が深刻化

2.第4次産業革命による産業構造の変化で、AIによる労働の代行、それに伴う産業界へのダメージ懸念

3.人生100年時代の到来

こんな背景があって、打開策として「働き方改革」を推進するに至っています。結局その改革は概ね空振りしてるわけですが、働き方改革関連で政府が言っている回りくどい話を、今回の金融庁の発表のように翻訳するとこうなります。

「一億総活躍」を翻訳

GDPを上げるため、医療費・年金の破綻を避けるため、専業主婦も高齢者もみんな、働ける人は働いてね!(そして納税してね!)

 

国政はかなり前から火の車で、今現在も国債(=国の借金)は膨らみ続けています。

 

参考:どのくらいのペースで増えてるかがわかる「財政赤字カウンター」6年くらい前に見た時から400兆円くらい増えてます。

 

財源はもちろん税金。「国民全員が活躍できる社会を目指す!」と声高に言ってますが、ようするに「働く人が増えれば所得税などの税収が増えるから、みんな外に出て働いて納税してね!」ということです。

 

「ダイバーシティ、女性活躍」を翻訳

企業の皆さん!人手不足なので女性もどんどん雇用してね!(そして納税(略))

「ダイバーシティ」とは
「多様な人材を積極的に活用しよう」という考え方
のこと。

 

一般的に、女性は出産育児で仕事から離れる期間があるので、能力が高くても雇用や昇格は控えるムードが今も根強く残っています。

でも、国としてはそんなこと言ってられないんで、「性別格差を無くそう!女性も活躍できる社会を目指そう!」と言っています。

 

「リカレント教育」を翻訳

1つの職能で生涯持つ時代ではなくなったので、自分でスキルを更新して、いろんな仕事をできるようになっておいてね!

※「リカレント教育」とは
「大人の学び直し」のこと。

 

人手不足は企業の成長や存続にも影響します。企業が伸び悩んだりダウンサイジングするということは、企業の儲けが先細り、法人税などの税収が減ります。同時に、企業側も人員削減を余儀なくされ、失業者が増えます。

今後は一層リストラリスクが高まるので、「クビにされても他で働けるスキルを身に着けておいてね」ということです。

 

「副業解禁」を翻訳

国民のみなさん、今いる会社だけに頼らず、自立しておいてね!
企業のみなさん、就業規則を変更して従業員の副業を認めてね!

 

なんで今になって急に「副業しろ!」なのか?実は国が抱える複数の難題に対して、いっぺんに対処できる良策なんですよ。

① 高まるリストラリスクに対する自己防衛を促す
② 給料や年金だけをアテにするのはリスキーだから、他の収入源の確保を推進
③ 1人が2つ以上の仕事をすることで人手不足の解消にも繋がる
④ 国民の平均所得が増えることで、税収が増える

こんなにたくさんメリットがあるので、労働基準法では元々副業は禁止されていません。誰が禁止しているのかというと、企業が就業規則の中で勝手に禁止しています。

政府としてはこの厄介な就業規則を取っ払う必要があったので、企業に向けて「従業員の副業を認めなさい!」となったわけです。

 

「長時間労働に罰則付き制限」を翻訳

企業のみなさん、人手不足の今、貴重な労働力を独占しないように!
あんまり残業させ過ぎず、退勤させてね!
会社の拘束時間が長いと副業もリカレント教育もできないから!

 

政府としては国民の副業を認め、人手不足を解消し、国民の貧困化を食い止めたいわけですが、それをやるには国民に時間的・体力的余裕が必要です。その時間と体力を専有しているのは、国民を雇用している企業です。

会社の仕事の時間を縮めて、空いた時間でリカレント教育、副業をやってもらいたい!というのが政府の意向です。

 

「解雇規制の緩和」を翻訳

これまではよほどのことが無い限り従業員をクビにできなかったけど、そんなこと言ってたら企業も持たないよね!ちょっと規制緩和するから、本当にどうにもならない「お荷物社員」は切り捨てていいよ!

 

これまでの労働基準法は、道路交通法並みに偏っていて、徹底的に労働者を守る内容でした。労働者は悪くないぞ!企業の都合で労働者の働く権利を奪うな!みたいな論調で。

これがあるお陰で、企業はクビにしたいと思う社員が居ても、そう簡単にはクビにできず、解雇されて然るべきな「使えないロースペック人材」まで抱えなければならなくなり、過剰な負担がかかります。

企業が潰れないように、「お荷物社員」を切り捨てやすくしますよ、という話です。

 

結論:「自助努力・自衛」が今後の課題

 

ということで、今までは国民を労働者として統制するために、

「副業禁止」(※実は元々法的規制は無し)
「おいしい投資禁止」(※金商法)
「お金の教育はしない」(※金融の授業は無い)
「起業家教育よりも労働者教育」(※学校教育)

という路線でやってきたJAPANですが、いよいよそうも言ってられなくなり、次のフェーズに入ったというのが昨今の状況です。

冒頭のスッキリコメンテーターも言ってますが、「わかるけど、いきなり言われてもさー!」という状況の人が大多数です。

文句の一つでも言ってやりたくなりますが、それを言ったところで政府は無い袖は振れないですから、速やかに適応する道を模索する方が賢明です。

 

とはいえ、教わることが無かったどころか、禁止までされてきたものなので、副業も投資も節税も、何をどうしていいかわかりません。「会社の仕事が終わってからバイト」というのも即金性はありますが、長い目で見れば身体が持ちません。

 

「とりあえずわかった、でも何から始めりゃいいの?」ということを都度取り扱っているのがこのブログで、「一足先に色々試した結果、うまくいったノウハウ」をまとめたのが「副業のはじめ方」「投資の教科書」です。スタートアップの指針にしてもらえたら。

アンテナの高い人は既にこういうもので学んで、もうトライ・アンド・エラーの実践を始めてますよ。

 

「1社に長く勤めて、昇給と退職金を目指す」というこれまでのテンプレから、「様々なスキルを身に付けて、自分で稼ぐ力を付けて、政府や1つの企業に依存しない」というのがここから先のテンプレ、王道のキャリアパスになりますよ。

 

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